精子の「質」を落とす犯人は活性酸素 検査法と不妊治療法

公開日: 更新日:

 では、何が精子のDNAを損傷させているのか。男性不妊には酸化ストレスが関与しているという数多くの研究報告があり、DNA断片化の犯人は体内で発生する「活性酸素」だという。

「活性酸素はさまざまな病気の原因になることが知られていますが、実は細胞へのダメージについて最初に報告されたのが精子細胞なのです。酸素濃度の高い環境では精子の運動率が低下することや、抗酸化剤を投与すると運動率が回復することも確認しています」

 そして、SCSAの結果を得て同院が積極的に行っている治療法が「抗酸化療法」。コエンザイムQ10やビタミンC・Eなどの抗酸化物質配合のサプリ(SOサポート:株式会社パートナーズ製)を男性不妊の患者に飲んでもらっている。

 同院の研究(168人対象)では、服用前の平均の精子濃度2630万/ミリリットルが半年後には4900万に、精子運動率は25.2%が半年後には41.3%に改善。48人が半年以内に自然妊娠で、32人が生殖補助医療で妊娠した。

 今後の不妊治療は、まず精子機能を回復させてから人工授精や体外受精に臨む時代になりそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」