精子の「質」を落とす犯人は活性酸素 検査法と不妊治療法

公開日: 更新日:

 男性不妊で精液検査を行うと、精子に異常が見つかることが多い。特に「数が少ない」「運動率が低い」「正常形態が少ない」ことが多く、この3つを総称して「OAT症候群」と呼ばれている。

 原因は、精索静脈瘤やホルモン分泌異常などの場合もあるが、4割以上は原因がはっきりしない「特発性」だ。そこで注目されているのが、精子の「質」を調べる検査法。男性不妊症の最先端の研究・診断・治療を行っている独協医科大学埼玉医療センター・リプロダクションセンターの岡田弘教授が言う。

「精子の数や運動率などを調べる一般精液検査も大切ですが、もっと重要なのは精子の質がどうかということです。当院では、精子のDNAの状態を調べる『精子クロマチン構造検査(SCSA)』をルーティンの検査に加えています。それによって特発性とされていたOAT症候群の患者さんの多くが原因を特定されて治療できるようになってきました」

 SCSAは、精液を特殊な蛍光色素で処理して専用の機器にかけると、どの程度の割合で精子のDNAが損傷(DNA断片化率)しているかが分かる検査。結果は、グラフに「赤(DNA損傷の精子)」「青(正常な精子)」「緑(未熟な精子)」の3色で表示される。一度に2万個の精子を調べられ、誤差は1%未満だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い