日常生活もままならず…野口健さんが壮絶ヘルニア体験語る

公開日: 更新日:

 すさまじい音と振動がきて、一緒にいた4~5人で腕を組み四つん這いになりました。ふと顔を上げると、雪崩が巨大な生き物のようにものすごい勢いで迫っていました。

 2011年、標高6000メートルのエベレストでのことです。「もうダメだな」と思いました。

 そして、「ドン!」と雪崩がぶつかったんですけど、手前に巨大なクレバスがあったおかげでそこに重い雪が落ち、舞い上がっていた軽めの雪に巻き込まれたことで、奇跡的に全員が助かりました。

 それでも、圧倒的な圧力で流されて雪に埋もれ、鼻や口に詰まった雪を急いで指でかき出さなければなりませんでした。首の後ろが少し腫れたものの、生きていられたのは本当に奇跡。雪崩は氷の塊を含んでいるので、まともに食らったら体なんか簡単にちぎれるんです。

 九死に一生を得たそんな体験から約1年後、右手の指の先がしびれるようになりました。さらに1年後、右肩甲骨の辺りに痛みがきました。そのうち、マイナスドライバーでえぐられるような痛みで日常生活もできない状態になりまして、接骨院でレントゲンを撮ったら「首のヘルニア」と診断されたのです。原因は、年齢や登山の荷物運搬などいろいろですが、引き金は「雪崩のときのムチウチだろう」とのことでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘