著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

米国で論文 がんの民間療法を選択すると死亡リスクが高い

公開日: 更新日:

「補完代替医療」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。一般的には、科学的根拠のある標準的な治療の代わりに用いられる民間療法を指し、特にがん治療で注目されることが多いと思います。

 がんの治療というと、「効果があまり期待できないうえに副作用が強い」というイメージを持たれる方も少なくないでしょう。副作用で苦しむことなくがんを治療したいと強く願う人にとっては、ハーブ療法であるとか、免疫療法、あるいはビタミン療法などは魅力的に思えるかもしれません。しかし、その有効性が科学的に証明されている補完代替医療は存在しません。

 そんな中、がん患者における補完代替医療の選択状況と、標準がん治療への影響や生存について検討した論文が、2018年10月14日付で米国医師会のがん専門誌に掲載されました。

 この研究では、補完代替医療を受けた258人のがん患者と、標準がん治療を受けた1032人が比較されています。年齢や、病気の期間、がんの種類などを考慮して解析した結果、代替医療を受けた人では、外科手術抗がん剤療法、放射線治療、ホルモン療法を拒否する人が統計的に意味のある水準で多いことが示されました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?