著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

筋力の衰えが気になったらトマトを食べるのが効果的?

公開日: 更新日:

 加齢とともに筋力は低下していきます。最近、そのことと糖尿病やメタボリックシンドローム、心臓病の発症との関連性が指摘されています。もちろん現時点で明確な因果関係があるかどうかはわかりません。しかし筋力が維持できれば、寝たきりを防ぎ、健康的な生活を送ることができると考えられているのはご存じの通りです。

 筋力がなぜ低下していくのか。そのメカニズムの解明はいまだ不十分ですが、野菜などに豊富に含まれる抗酸化物質が筋力低下に対して保護的に働くのではないかという仮説があります。

 そんな中、野菜摂取と筋力低下の関連を検討した観察研究の論文が「日本疫学会誌」2018年9月号に掲載されました。

 この研究は、22~68歳の日本人259人を対象に、3年間追跡調査したものです。食事内容に関するアンケートに基づき、野菜の摂取状況と握力低下の関連が検討されました。解析の結果、握力の変化は、トマトやトマト製品の摂取が週に1回未満の人で3.2の減少だったのに対して、週に4回以上の人では1.7の減少にとどまりました。つまり、トマト製品の摂取量が多いほど、握力低下の度合いが少ない傾向性が示されているのです。また、この関連は他の野菜類では観察されませんでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する