著者のコラム一覧
小宮孝泰

1956年、神奈川県小田原市生まれ。明治大学卒。80年、渡辺正行、ラサール石井と「コント赤信号」でTVデビュー。91年に佳江さんと結婚。2001年、31歳の佳江さんに乳がん発症。12年に永眠。今年9月に、出会いから別れまでの出来事をつづった「猫女房」(秀和システム)を上梓。

<6>尾崎豊を歌わない「大ファンの妻が怒り出す」

公開日: 更新日:

 佳江さんが学生の頃に好きだったのが、役者では真田広之だ。

「さすがに私と結婚してからは熱烈な真田ファンの姿は鳴りを潜めていましたが、真田さんが海外進出を始めた頃に再びお熱が上がってきました。真田さんがイギリスのロイヤル・シェークスピア・カンパニーの一員として日本に凱旋公演した『リア王』も一緒に見に行きました。真田さんが『ハムレット』(蜷川幸雄演出)でハムレットを演じられていた時は、妻に真田さんのサインを頼まれ、楽屋にお邪魔させていただいたこともあります。同業者にサインを頼むのは気が引けましたが、舞台後にシャワーを浴びてバスローブ姿のままの真田さんは丁寧に応じてくれたものです」

 今ではハリウッド俳優のイメージが定着した真田だが、イギリスで本格的に演技の勉強をしている。

「真田さんが話すブリティッシュ英語は、ネーティブ以外の俳優としてはベストというくらいうまい。僕も何年も英語を勉強していますが、本当に海外で活躍したいなら、真田さんみたいに向こうへ行く覚悟がないとダメでしょうね。楽屋を訪ねた時、最初は後ろに隠れて恥ずかしそうにしていた妻も、真田さんと握手をしたり、一緒に写真を撮ってもらったりしてとても楽しそうでした」

 さすがにその日ばかりは、奥さんも小宮さんを見直したそうだ。

(つづく)

【連載】がん発症の妻にしてあげた10のこと

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった