3月発売「酒を飲みたい気持ちを抑える」新薬は効くのか?

公開日: 更新日:

 今年3月5日、飲酒欲求の抑制さらに飲酒量を低減する新しい薬「セリンクロ」が発売された。このタイプに少し似ている薬が、2013年発売の「レグテクト」で、こちらは飲酒欲求を抑制する作用がある。現在、アルコール依存症の治療薬で主に使われているのは、抗酒剤2種類とレグテクト、そして今回の新薬になる。

 抗酒剤は飲酒後、激しい吐き気や頭痛などに襲われ、七転八倒の苦しみを味わうことが患者さんの間でも知られている。一方、新薬は抗酒剤のような激しい副作用はない。「服用時に飲酒したらどうなるか?」ではなく、飲酒欲求を抑え、さらに飲酒量を低減するのが新薬で、いわば「減酒薬」である。

「現場でレグテクトを服用する患者さんに聞くと、抗酒剤と違って効いているか効いていないのか分かりづらいそうです。飲酒につながるトリガーを引いた時は何が何でも飲みたくなり、薬で簡単に渇望を抑えられるものではない、と話す人もいます。しかし、『自分はアルコール依存症なんだ。飲んではいけないんだ』と自らに言い聞かせるための、お守りのような存在として役立てている人もいる」(精神保健福祉士・社会福祉士である大森榎本クリニックの斉藤章佳氏)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘