3月発売「酒を飲みたい気持ちを抑える」新薬は効くのか?

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 となると、「飲んだらひどい目に合う」という心理的ブレーキがかかる抗酒剤に比べて、レグテクトや新薬の断酒のための治療効果は“弱い”のではないだろうか。これだけであの酒地獄から抜けられるのか、疑問を抱く人もいるだろう。

 しかし、アルコール依存症は、薬だけで回復していくものではない。認知行動療法や依存症当事者が集う自助グループ(AA・断酒会)への参加など、さまざまな方法で治療を行う。ほかの方法との組み合わせによって、飲酒量低減薬を使いながら断酒が可能になる人もでてくるかもしれない。むしろ、抗酒剤で挫折し、治療の機会から離れていた人が、再び治療につながる可能性がある。

「アルコール依存症に当てはまるほどではない。しかし、酒をやめたい」と思っている人もいるかもしれない。飲酒量低減薬は処方してもらえるのか?

「アルコール依存症と診断されていないなら無理でしょう」(斉藤氏)

 ただし、問題は本当に「アルコール依存症に当てはまるほどではない」のか、だ。飲酒により失っているものが多く、離脱症状などの身体症状も出ていてそれゆえに「酒をやめたい」のなら、すでにアルコール依存症の可能性が高い。飲酒が原因の家庭不和、健康面での問題、交通事故、遅刻や欠勤などの職業問題、犯罪に手を染める……などは過去になかっただろうか?

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