著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

専門誌で最新報告が 食道がんリスクと飲食物の温度の関係

公開日: 更新日:

 食道がんは初期には症状がないため診断されることが少なく、進行すると治療をしても、食事がのみ込みづらくなるなどの後遺症が残ることの多い、厄介ながんのひとつです。

 日本人に多い扁平上皮がんというタイプの食道がんは、喫煙とアルコール濃度の高いお酒を飲むことで、なりやすいということが分かっています。

 それから、時々指摘されることがあるのが、熱い飲み物や食べ物との関係です。熱い物が食道の粘膜を刺激することで、がんになりやすくなる、というのです。

 ただ、この点については、これまでにそれほどしっかりとした研究データがありませんでした。

 今年のがんの専門誌に、それについての新しい知見が発表されています。

 イランで5万人を超える大規模な調査を行ったところ、温度が60度以上の熱いお茶を飲む人は、ぬるいお茶を飲む人と比較して、食道がん(扁平上皮がん)のリスクが41%増加していました。温度にかかわらず、ぬるいお茶が好きな人と比較して、うんと熱いお茶が好きな人は、2・4倍以上もがんのリスクが高くなっていました。

 また、ゆっくりと時間をかけて飲む人と比較して、1杯を2分かけずに急いで飲む人は、これも食道がんのリスクが51%増加していました。

 熱い飲み物は冷ましてからゆっくり飲むことが、食道がんの予防には重要なことであるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋