減酒、睡眠、運動…生活習慣を変えればメンタルは安定する

公開日: 更新日:

「これらを実行することで、私のところに来る患者さんの薬はどんどん減っていきます」

 かつて、「うつは心の風邪」というキャッチワードの下、疲れたサラリーマンが次々に「うつ病」と診断され、抗うつ薬を服用させられた。しかし、その8割に薬は無意味だったと井原医師は言う。そして、うつ病ブームが一段落すると、今度はかつてのそううつ病が「双極性障害」と改名され、さらに双極性Ⅱ型という「プチそううつ病」も追加され、うつが治る際の一過性の気分高揚も「双極性障害」と診断されるようになった。こうして「プチそううつ病」を含むすべての「双極性障害」に対し、「生涯にわたる薬物療法が必要」と主張され始めた。この情報操作が、働く人の心の健康を損なう一因になっていると井原医師は語る。

「本来は、アルコールを減らし、やめて、睡眠を十分取り、体を適度に動かすなどして、生活習慣を修正すればよくなるはずだったのです。その程度の気分変調を、やれうつ病だ、やれ双極性障害だとカラ騒ぎして、次々と薬を飲ませ、それも延々と飲ませ続けるのはどうかと思います。長寿社会は最近始まったのに、それ以前の時代に若い人たちから取ってきたデータで、いったいどうして『生涯にわたって薬物療法が必要』と主張できるのでしょうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動