診断書で職場環境を改善することも「うつ病」治療の一環

公開日: 更新日:

「休職には損益分岐点がある。メリットがデメリットを上回っているのは短くて数日、長くて数週間。数カ月ではない。そのポイントを超えると、状態は坂道を転げ落ちるように悪化します」

 こう語るのは、「独協医科大学埼玉医療センター」(埼玉県越谷市)こころの診療科教授の井原裕医師(顔写真)。この井原医師が提言するのは、「休職せず働きながら治す精神科医療」だ。

 そんな井原医師は、うつ病患者に安易に処方されることの多い抗うつ薬も、実はうつ病患者の2割程度にしか効いていないという考えを持っている。それでは、井原医師はどのようにうつ病を治療するのか。それは、職場環境と生活習慣の改善だ。

 生活習慣については、次回以降に解説することにして、長時間労働など、自身にはいかんともしがたい職場環境はどうやって改善するのか。それを可能にするのが、健康管理に関する事業者側責任を明記した診断書だ。

「現在、心身疲弊状態にあり、十分な睡眠(7時間超)の確保なくして、業務継続は困難です。就業継続は、会社側が安全配慮義務の一環として、『働き方改革関連法』(2019年4月施行)に規定する『月45時間、年360時間』以下を順守するのでないのなら、不可能であると判断します」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?