著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

健康寿命のカギ“ABC”は冬に悪化 糖尿病患者の調査で初確認

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■3つすべての目標値を達成することが重要

 これらの結果をどう考えるか? それは、夏に測定した数値が「悪くない」「基準値以内だけどギリギリ」という状態であれば、冬には基準値を超えている可能性が十分にあるということです。現場でたくさんの患者さんの診察をし、「冬には数値が悪化する人が多い」という印象はありましたが、「夏より冬の方が悪い」とはっきり示したデータはありませんでした。しかし、この「ABCスタディー」で明らかになったのです。

血圧は高いけど、HbA1cは目標値を達成しているから問題なし」では決してないのです。A、B、Cすべてが目標値を達成していることが非常に重要なのは、いずれかひとつが良くても、ほかの数値が悪ければ、動脈硬化の進行を食い止められないからです。

 糖尿病をきちんと治療せずにいると、動脈硬化が進行し、心筋梗塞などの心血管障害、脳卒中などの脳血管障害のリスクが高くなります。そして、血圧、LDLコレステロールも同じ。治療をしないでいると、動脈硬化が進行するのです。脳血管障害は認知症にもつながりますから、A、B、Cのコントロールがきちんとできていないということは、認知症のリスクを上げることにもなります。

 健診や人間ドックの結果が手元にある人は、数値はいかがでしょうか? 春~夏にかけての季節に健診を受けている人で、数値がギリギリの人などは、食生活を見直していただいて、冬にもう一度検査することをお勧めします。1年後では遅い場合もありますよ。

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