むしろ心拍数と体温が上昇 高齢者は扇風機が“毒”になる

公開日: 更新日:

 それによると、扇風機が体の負担や不快感を緩和するか体への害となるかは、気温よりも湿度に関係していることが分かった。湿度が低いところで扇風機を使うと、むしろ暑く感じる上に心臓に負担がかかるのだという。

「実験は、12人の男性を対象にさまざまな気象条件を再現できる人工気象室で行われ、『非常に暑くて乾燥した環境』(気温47度、湿度10%、熱指数46)と『暑くて湿度が非常に高い環境』(気温40度、湿度50%、熱指数56)とで比べています」

 結果は、扇風機を湿度の高い中で使用した場合、深部体温が下がり、心臓血管への負担が軽減され、快適度も向上した。一方で、熱指数が低い、乾燥した環境で扇風機を使用した場合は、深部温度も心臓血管への負担もぞれぞれ上がり、実験参加者はより暑くなったように感じたという。

「この結果を見る限り、夏の湿度が高い日本では扇風機は欧州などよりもリスクが低いといえるかもしれません。しかし、高温下の高齢者の扇風機使用には限界があるのは明らか。高齢者はやはり、エアコンを使うべきでしょう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性