著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

大人のおたふく「子種が全滅して子どもができなくなる」はウソ

公開日: 更新日:

 男性の患者さんから「大人になってからおたふく風邪にかかると、子種がなくなるというのは本当ですか」と、よく質問されます。答えは「合併症を起こすと可能性がある」です。

 おたふく風邪はムンプスウイルスの感染で起こり、正式には「流行性耳下腺炎」と呼びます。主な感染経路は、インフルエンザなどと同じで飛沫(ひまつ)感染と接触感染です。多くは子供の頃にかかり、一度感染すると免疫ができるので基本的に再感染はしません。ですから子供の頃に感染しないまま大人になると、子供がもらってきたウイルスに感染して発症する場合があるのです。大人になってから発症した方が、症状が重くなる傾向があります。

 ムンプスウイルスの感染しやすい部位が唾液を分泌する唾液腺で、そのため頬や顎の下などが腫れるのです。しかし、唾液腺以外にも、髄膜や内耳、精巣、卵巣、膵臓(すいぞう)などにも感染しやすく、増殖したウイルスが血流に乗って、これらの臓器に感染すると合併症を引き起こすのです。

 子種がなくなる可能性が出てくるのは、合併症のひとつ「精巣炎」になった場合です。男性が思春期以降におたふく風邪にかかると起こることがあり、合併率は20~30%といわれています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択