著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

胃がん<3>膵がん手術は経験値の高い病院を推薦しているが…

公開日: 更新日:

 がんと宣告されたら、とりわけ手術と言われたら、できるだけ大きい病院で受けたいと思うのが我々のごく自然な感覚です。

 大病院には医者が大勢いるし、最新の設備が整っているので安心感があります。それにできることなら、傷の小さい腹腔鏡手術のほうを受けたいと考えます。となると、手術を受ける病院は限られてきそうです。実際はどうでしょうか。

 病院によって予後が影響されることは十分に考えられます。実はそういうことを書いている診療ガイドラインもあります。たとえば膵がんのガイドライン(2016年版)には、次のように書かれています。

「膵癌では、全死亡率の低下、在院死亡率の低下……を考慮した場合、手術例数の多い施設で外科的治療を行うことを提案する」

 こんなことを読まされたら、本気で病院を選ばないわけにはいきません。

 また、とくに腹腔鏡手術については、多くのガイドラインで「経験数が重要」ということが述べられています。

 肝がんのガイドライン(17年版)には、「通常の開腹による肝癌手術の経験が十分にあるなどの条件を満たす病院のみが、腹腔鏡手術を行うべき」と書かれています。泌尿器腹腔鏡手術ガイドライン(14年版)にも、「術者の経験が大事」ということが繰り返し書かれています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ