著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

大腸がん<2>放射線治療 寿命延ばす効果は期待できそうもない

公開日: 更新日:

 大腸がんでは、ステージⅡ以上の直腸がんに補助放射線療法を行うことがあります。結腸がんの多くは腺がんで、放射線はあまり効きませんが、直腸では扁平上皮がんが多く、放射線が効果を発揮しやすいのです。

 照射のタイミングによって「術前」「術中」「術後」照射に分かれます。

 すでに確立された治療であるため、治療ガイドラインの初版(2005年)から最新版(19年)まで、内容はあまり変わっていません。ただ第3版(10年)までは大ざっぱな記述のみでしたが、第4版(14年)以降は詳しいコメントやエビデンスが載るようになり、現在に至っています。

 術前照射は、腫瘍を縮小させることで手術を容易にすることと、肛門をできる限り温存することを目的として行われます。最新版によれば「肛門括約筋温存率と切除率の向上が得られることが示唆される」と書かれており、一定の効果があるようです。ただし術後の生存率まで改善するかというと、現時点では「エビデンスは存在しない」と記されています。また、放射線障害による後遺症も少なからずあるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束