著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

乳がん<4>「強く推奨」となったハーセプチンによる術前薬物療法

公開日: 更新日:

 と明記されています。

 一緒に使われる抗がん剤は、主にドセタキセル、パクリタキセルなど「タキサン系」と呼ばれる薬で、がんの細胞分裂を阻害して増殖を抑える働きがあります。ハーセプチンもがん細胞の増殖を抑えますから、いわばダブル効果で敵を封じ込めるわけです。

 2018年には、別の分子標的薬であるペルツズマブ(商品名パージェタ)が承認されたため、最近では3剤併用療法も広まっています。ただしまだエビデンスが少ないため、ガイドラインでは「弱く推奨」となっています。なおHAR2陽性乳がんには、ホルモン療法があまり効かないので、併用することはあまりありません。

 ハーセプチンの投与期間は、術前・術後合わせて1年間とされています。たとえば術前に抗がん剤と一緒に3カ月投与したとすると、術後さらに9カ月間、ハーセプチンを使い続けるわけです。

 ハーセプチン自体の副作用は弱めなのですが、一緒に使う抗がん剤には、吐気や脱毛その他の副作用があるため、ひとによっては辛い治療になるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲