咳やくしゃみは生体防御反応…我慢するとこんなに危ない

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「電車やバスの中はもちろん、職場や食事の場でも咳やくしゃみをすることすらはばかられる」――。新型コロナウイルスが飛沫感染することが分かって以来、咳やくしゃみを我慢している人も多いのではないか。咳やくしゃみは口や鼻を軽く覆って、人のいない方向にするのは当然だが、鼻や口を完全に覆ってしまうと骨折、鼓膜破裂、脳動脈瘤破裂などの重大病を引き起こす可能性がある。「北品川藤クリニック」(東京・品川)の石原藤樹院長に聞いた。

「くしゃみや咳は、鼻やのどに侵入した異物を取り除くための生体防御反応です。鼻やのどの粘膜に付着した異物が神経を刺激すると、延髄のくしゃみ中枢を介して、肺と腹部の間の横隔膜などが収縮。体の中の圧力を高めて、一気に異物を吹き飛ばします」

 その衝撃は強烈で、英国の医師会雑誌「BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)」は2018年、鼻と口を覆ってくしゃみを抑えようとした34歳の男性が、咽頭の後ろにある梨状窩と呼ばれる部分に穴を開けた、との症例報告をしている。くしゃみを無理に抑えようとしたので、咽喉の圧力が異常に高まり、咽喉の一部が裂けて、空気が漏れ出してしまったのだ。その男性は絶食や抗菌剤などの治療を行い、長期の療養を要した。

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