新型コロナウイルス検査で注目集める「血液抗体検査」とは

公開日: 更新日:

 では、それほどメリットのある血液抗体検査がこれまで活用されてこなかったのはなぜか。

「最大の理由は、新型コロナに感染したら、免疫ができて当面は感染しないと言えるかはっきりしないことです。一般的にウイルスが体内に侵入すると、病原体の一部を抗原として認識する抗体がつくられます。最初はIgMと呼ばれる抗体が血液中に大量に放出され、数週間以内にほとんど消失します。感染がある程度進むと、IgGと呼ばれる抗体の産生が始まり、急速に濃度が増していく。IgGは体内からウイルスが完全に駆逐された後も、長期にわたって血液中に存在し続け、再びウイルスが侵入してきても、IgGがただちに攻撃を開始します。つまり免疫が確立したということです」(永田教授)

 そのため、血液抗体検査で「IgMが陽性」なら感染早期、「IgGが陽性」ならそのウイルスに対する免疫が完成していると判断されてきた。

 ただし、これは一般的な感染症での知見に過ぎない。

 新型コロナウイルスに対してはIgMやIgGが陽性でも、ウイルスを殺すだけの能力があるかどうかなど、十分な知見が得られていない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった