コロナ対策“不要不急の外出自粛”で高齢者の健康が蝕まれる

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 新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の拡大で、「不要不急の外出自粛」の要請の声が一段と高まるなか、心配なのが健康への影響だ。とくに高齢者は長期間、自宅に閉じこもることで、筋力低下や精神的ダメージにより健康を損ないやすく、命を縮めることにもつながりかねない。東邦大学名誉教授の東丸貴信医師に聞いた。

「一番の心配は、筋肉が減少して体力が落ちることです。高齢者は日々体を動かすことで、かろうじて筋肉量や体力を維持しています。また、骨に負荷をかけたり筋肉を伸縮させることにより、一酸化窒素(NO)やさまざまなホルモン様物質が作られ、血管が拡張して心臓の働きが良くなります。そして、血圧の上昇や万病のもとの慢性炎症が抑えられ、心臓血管、肺、脳神経など内臓の働きを良くして運動能力を維持しています。そのリズムが狂うと簡単に体力と運動機能が落ちてしまいます。困ったことに年齢によっては一度失った筋力や体力は取り戻すことができず、その影響はその後の生活に大きく影響します」

 欧米の研究によると、運動をしない期間がわずか2週間続いただけで筋力と筋肉量は大幅に低下するという。その影響は若者でより大きいが、高齢者は失った筋肉を取り戻すのに多くの時間が必要になると報告している。

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