著者のコラム一覧
関由佳医師・料理家

専門は内科、予防医学。2013年ニューヨークの料理専門学校(Natural Gourmet Institute)で資格取得。著書に「毎日食べたい!腸活みそレシピ」ほか

【人参の葉の炒め物】独特のおいしい苦味には解毒効果が

公開日: 更新日:

 今月の20日に約4年住んでいた京都を離れ、淡路島に転居しました。今年夏からアメリカの大学で改めて栄養学を学ぼうと準備していたのですが、新型コロナウイルス感染の影響で、実現が難しくなってしまいました。いったん延期することにしました。

 そこで新しいすみかを豊かな自然と新鮮な食材に恵まれた淡路島に決めたわけです。そして、転居の最も大きな理由は、かねて夢であった自給自足生活の実現です。

 今、私たちを取り巻く食の環境は大きな危険にさらされています。ホルモン剤やさまざまな薬を投与された食肉、海洋汚染によって化学物質やマイクロプラスチックを取り込んでしまった魚、そして危険な農薬、化学肥料を使用して育てられた野菜、添加物を含んだ加工食品などなど。

 前にこのコラムで述べましたが、私自身、10代のころから体調不良に苦しみ、医者になってからもなかなか改善の兆しは見えませんでした。そして、根本から「食の見直し」を始めました。たどりついたのが野菜中心、肉、魚は少し、味付けは塩ではなく、みそがメインという「腸活第一」の食生活でした。

 しかし、いかにみそが優れた食品であっても、食材の安全性が肝心ですから、これまでも可能な限り確かな食材を選んできました。その甲斐あって、私は腸活を実現し、健康な体を取り戻すことができました。

 現在、日本の農産物の安全性が問題となっています。残留農薬が基準値を超えていることでEU諸国や台湾などでは、一部の日本の農産物が輸入禁止となっています。世界的に日本の農産物が安全面で問題視されているのです。こうした状況を考えると、私たちも自分自身の健康を考え、安全な果物や野菜を選ばなくてはなりません。食材選びは腸活の基本といってもいいでしょう。

 値段はやや高くなりますが、有機栽培の農産物を扱っているスーパー、あるいは通販などで選ぶことをおすすめします。最近では、無農薬、化学肥料不使用の農産物を生産、販売する農家や組織も多くなっています。

 そんな観点からも、私は自給自足生活を実現すべく淡路島で新生活をスタートさせたわけです。

 完全自給自足は先の話になりますが、みそ作りはもちろんのこと、「確かな食べもの」で暮らしていきたいと考えています。それが腸活、ひいては健康のもとなのですから。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波