著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

朝と夜の栄養バランスが重要 糖尿病の人は夕食は控えめに

公開日: 更新日:

 朝食をとらない生活習慣は健康に悪い印象があります。実際、朝食を毎日食べる人と比べて、朝食を食べない人では死亡リスクが高まるという研究も報告されています。

 ただ、たとえ朝食をとっていたとしても、朝夕の栄養バランスが悪いと健康的な食習慣とはいえないかもしれません。朝食と夕食の栄養バランスと死亡リスクの関連を検討した研究が、米国糖尿病協会が発行している糖尿病治療の専門誌に2020年4月30日付で掲載されました。

 この研究では18歳以上の糖尿病患者4669人が対象となりました。研究参加者は食事の総カロリー及び、脂質、炭水化物、タンパク質の摂取量が調査され、それぞれ夕食と朝食の摂取差(夕食マイナス朝食)が算出されています。摂取差が高い人(夕食のほうが摂取量が多い)から低い人まで5つの集団に分類され、さまざまな原因による死亡のリスクが比較されました。

 血圧やコレステロールの値など、結果に影響を与える因子について統計的に補正して解析した結果、総カロリー量の摂取差が最も低い集団と比較して、最も高い集団で、糖尿病に関連した死亡が1・92倍、心臓病による死亡が1・69倍、統計的にも有意に増加しました。タンパク質の摂取差についても同様に、糖尿病に関連した死亡が1・92倍、心臓病による死亡が1・96倍、増加するという結果でした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか