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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

「冬前にはHbA1cを8%未満へ」私が今、患者にそう言う理由

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 また、中国の報告ではコロナに感染した糖尿病患者のうち、血糖コントロールが良好な人はそうでない人より死亡率が低いとの結果でした。

 糖尿病患者が感染症にかかりやすく、重症化しやすいのには主に5つの理由があります。それは「体内に侵入したウイルスや細菌を食い殺す好中球(白血球の成分のひとつ)の機能低下」「免疫反応の低下」「動脈硬化による血流の滞りで、細胞の働きが悪くなったり白血球が感染部位に到達しにくくなる」「糖尿病の合併症の神経障害」「ウイルス感染で血糖値がより高くなり、糖尿病の状態が悪くなって感染症をさらに進行させる」というものです。

 では、血糖コントロールを良くするために何をすべきか? 

 まず、処方された薬は自己判断で服薬量を減らしたり、飲むのをやめたりせず、規定通りに服用すること。コロナの影響で病院に行きづらくなる状況がくることを考慮し主治医と相談の上、可能であれば予備の薬を十分に手元に置いておくのもいいでしょう。

 次に、糖尿病は脂質異常症、高血圧症を併発しやすい。これらの疾患のチェックがまだの人は、今のうちに検査を受け、数値によっては脂質異常症、高血圧の薬物治療も取り入れてください。

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