がんに強い「ハイパーサーミア療法」は効果的で懐にも優しい

公開日: 更新日:

「しかも、放射線や抗がん剤でがん細胞のDNA鎖の切断に成功しても、がん細胞は多くのDNA鎖修復酵素を分泌して生き延びようとします。温熱はそれを阻害します。つまり、温熱療法は放射線や抗がん剤の感受性強化の働きもあるのです」

■腫瘍が大きければ大きいほど効果的

 ほかにも、放射線と温熱ではがん細胞のどの時点での細胞周期で効くのかが異なる。そのため、併用することでがん細胞によりダメージを与えることができる。抗がん剤で活性化する転写因子を抑制することでがん細胞の抵抗性を抑えることができる。

「温熱療法には、もうひとつ良い点があります。細胞には、皮膚や内臓の表面を構成する上皮細胞と骨や血液をつくる間葉細胞があります。上皮細胞は規則正しく結合し、間葉細胞はそうでなく運動能力を持っています。上皮細胞の悪性腫瘍であるがんは、周囲に浸潤する過程で上皮細胞としての性格を失い、浸潤に有利になるように細胞が運動能力を持つよう変化する。これを上皮間葉転換(EMT)と呼びますが、温熱療法はこれを阻害する働きも持っているのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景