がんに対する温熱療法「ハイパーサーミア」のここが凄い

公開日: 更新日:

■いまが「がん標準治療」入りの分水嶺

 大会ではさまざまな演題が用意されている。とくに手術抗がん剤、放射線などとの併用療法による上乗せ効果が優れており、腹膜播種、膵臓がんなどの難治性がんの治療効果に関する演題が多い。

「たとえば播種のある胃がんでは、手術後に抗がん剤を投与するとともに温熱療法を加えた10例と胃がんの手術のみの10例を比較したところ、前者の3年生存率36%に対して対照群は0%でした」

 放っておけば人工肛門が避けられない、進行直腸がんに対する温熱療法併用の放射線化学療法は完全奏効が27%だったという。

「ほかにも腹膜播種やトリプルネガティブの乳がん免疫チェック阻害薬との併用による上乗せ効果などについても語られます。また、ハイパーサーミアの治療ガイドラインを2年前から作成しており、今回の学会はそれをまとめる学会でもあります。今大会のテーマが『標準療法を目指したハイパーサーミアの治療戦略』となっているのはそのためで、今大会は節目の大会なのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々