著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

欧州で論文報告 日本食を食べる頻度が多い人は長生きする

公開日: 更新日:

 日本人の平均寿命は世界でもトップレベルです。衛生環境や医療アクセスの良さがその大きな原因だと考えられますが、漬物や味噌汁など日本人独特の食習慣も影響しているかもしれません。

 日本食の摂取頻度と、死亡リスクの関連を検討した研究論文が、欧州の栄養学専門誌に2020年7月16日付で掲載されました。

 この研究では、45~74歳の日本人9万2969人(平均56・5歳、男性45・9%)が対象となりました。日本食の摂取状況は、白米、味噌汁、海藻、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶の摂取量の多さと、牛肉・豚肉の摂取量の少なさについてアンケート調査を行い0~8点で評価しています。点数に応じて研究参加者を4つの集団(0~2点、3点、4~5点、6~8点)に分け、死亡リスクとの関連性が検討されました。なお、結果に影響を与えうる年齢、性別、喫煙状況、飲酒状況、身体活動量などの因子で統計的に補正をして解析しています。

 中央値で18・9年にわたる追跡調査の結果、日本食の摂取頻度が最も低い(0~2点)人と比べて、最も高い(6~8点)人では、あらゆる原因による死亡リスクが14%、心血管病による死亡リスクが11%、統計的にも有意に低下しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした