小さいころの食習慣がその後の肥満リスクに影響する
朝食を取らない食習慣は健康に良くないイメージがあると思います。実際、朝食を取らない人では、そうでない人に比べて心臓病による死亡リスクが高いという研究も報告されています。朝食を取らない人は肥満リスクの増加が知られており、それゆえ心臓病のリスクが高まるのかもしれません。
しかし、未就学児童を対象とした研究は少なく、幼児期における朝食の摂取とその後の健康状態についてはあまりよく分かっていませんでした。そんな中、幼児期の朝食摂取と肥満との関連を調査した研究論文が、日本疫学会誌の電子版に7月11日付で掲載されました。
この研究では、2001年に日本で出生した新生児のうち5万3575人が調査の対象となりました。2歳半における朝食の摂取状況が調査され、その後の過体重(肥満には該当しないものの、身長と比較して体重が多い状態)、もしくは肥満との関連性が検討されています。
出生時の体重などで統計的に補正して、解析した結果、過体重もしくは肥満のリスクは、2歳半で朝食を取っていた小児と比較して、朝食を取っていない小児では、7歳時点において男児で21%、女児で24%、10歳時点において男児で22%、女児で19%、統計的にも有意に増加しました。ただし13歳の時点では、男児で38%の増加が認められた一方で、女児では明確な関連性は示されませんでした。
朝食を取らないことが直接的に体重を増加させているというよりは、間食など不規則な食事による栄養バランスの偏りが肥満につながっているのかもしれません。特に男児では、その後の肥満リスクが一貫して増加しており、長期的な健康への悪影響が懸念されます。