著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

植物由来の色素が有効 ブドウやイチゴが大腸を健康にする

公開日: 更新日:

 ブドウやイチゴ、ブルーベリーなどの果物には、アントシアニンと呼ばれる植物由来の色素が含まれています。

 このアントシアニンには多くの健康効果が確認されています。抗酸化作用があって血管を若く保ち、動脈硬化の進行を抑えます。このことにより虚血性心疾患や脳卒中の予防効果があるという報告もあるのです。さらに最近注目されているのが腸に対する作用です。

 アントシアニンはそれ自体ではほとんど吸収されず、腸内細菌の働きにより分解されてその効果を表すと考えられています。大腸はアントシアニンの代謝物による良い影響を、一番受けやすい場所なのです。

 2019年の栄養学の専門誌に掲載された論文によると、アントシアニンを多く含むイチゴの抽出物を取ることにより、糖尿病のネズミの腸内細菌が変化して、善玉菌が増加したという報告があります。また、腸の粘膜の炎症を抑えて、潰瘍性大腸炎などの腸の病気の予防になるのではないか、という報告もあります。さらに大腸がんについては、動物実験においてアントシアニンを使用することにより、大腸がんの予防効果が認められたという研究や、大腸がんの細胞を死滅させるような効果が見られた、という研究結果が報告されているのです。

 腸の健康のためにはブドウやイチゴを食べることが効果的かも知れません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃