著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

男性にも「前立腺小室」と呼ばれる子宮があるのはなぜ?

公開日: 更新日:

 女性がときめく何かに出合ったときの、「キュン」とする感覚を「子宮がうずく」と表現されることがあります。「男は子宮がないから女の感覚は分からない」と一蹴する男性もいるでしょう。ところが男性にも子宮があります。正確に言えば、子宮の“痕跡”が残っているのです。

「男性子宮」は膀胱(ぼうこう)の背側で骨盤底部に位置し、前立腺の近くにあるので「前立腺小室」とも呼ばれます。しかし、通常は小さく、何も機能を持っていないので、誰も気づいていません。

 では、なぜ男性にも子宮があるのでしょうか。

 それは、性器はもともと「女性型」が基本だからです。女性の「卵管」「子宮」「腟」と、男性の「精管」「精嚢(のう)」「前立腺」は「内性器」と呼びます。胎児が6~7週目の頃には、女性の内性器の起源となる「ミューラー管」と、男性の内性器の起源となる「ウォルフ管」を2本ずつ持っています。

 そして、Y染色体を持つ男性は性腺の分化で精巣が発達すると、精巣から「ミューラー管抑制因子(AMH)」と「男性ホルモン(テストステロン)」が分泌されます。この2つの物質があると、内性器は「男性型」になり、なければ自動的に「女性型」になります。AMHはミューラー管の発育を抑制して、卵管や子宮が作られないように働きます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  2. 2

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  3. 3

    やす子「ドッキリGP」での言動が物議…“ブチ切れ”対応で露呈してしまった芸人の器量と力量

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    中央学院戦の「1安打完封負け」は全部私の責任です。選手たちにもそう伝えました

  1. 6

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明

  2. 7

    タレント出身議員の“出世頭” 三原じゅん子氏の暴力団交遊疑惑と絶えない金銭トラブル

  3. 8

    巨人の正捕手争い完全決着へ…「岸田>甲斐」はデータでもハッキリ、阿部監督の起用法に変化も

  4. 9

    ドジャース大谷翔平の突き抜けた不動心 ロバーツ監督の「三振多すぎ」苦言も“完全スルー”

  5. 10

    萩生田光一氏「石破おろし」がトーンダウン…自民裏金事件めぐり、特捜部が政策秘書を略式起訴へ