著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」名誉院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

男性だけじゃない 女性にも“夜間勃起”と“朝立ち”がある

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 では、なぜヒトは朝立ちをするのでしょうか。それは健常であれば、一晩に3~5回、寝ている間に勃起する「夜間勃起」という生理現象が起きているからです。夜間の睡眠は「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」を交互に約90分周期で繰り返しています。夜間勃起はレム睡眠のときに起こります。睡眠の前半3時間は深い眠りが多く、後半になるにつれレム睡眠が増えてきます。朝目覚めるときはレム睡眠が多いので、その最後の夜間勃起を朝立ちとして自覚するのです。

 では、夜間勃起は何のために起きているのかというと、生殖器を維持するメンテナンスです。睡眠中は副交感神経が優位になり、リラックスした状態で脳や体の機能を回復させています。ペニスの筋肉や海綿体などの組織も、他の器官と同じで使っていないと衰えてきてしまいます。それで夜間に自動的に勃起が起こり、血管を拡張して酸素や栄養を送り、老廃物を排除するというメンテナンスが行われているのです。

 ところが、糖尿病などで動脈硬化が進行し、血管が拡張しなくなると夜間勃起がなくなり、性的興奮があっても勃起しない「器質性ED」となります。それで朝立ちの有無が「健康のバロメーター」といわれるのです。

 朝立ちがあるのに性交時に勃起しないようなら、精神的・心理的な問題で起こる「機能性(心因性)ED」が疑われます。

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