著者のコラム一覧
奥田研爾横浜市立大学名誉教授

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

J&J社の新型コロナワクチン 接種1回が認められたワケは?

公開日: 更新日:

 米食品医薬品局(FDA)は、2月27日に製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)社の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を許可した。米国での承認は3社目で、接種1回で有効性は66%。冷蔵保存が可能という。

【Q】接種1回が認められたワケは

【A】米国で承認済みのファイザー社、モデルナ社の「メッセンジャー(m)RNAワクチン」は、原則2回接種が必要だ。それに対してJ&J社のワクチンは「ウイルスベクターワクチン」だから、接種は1回で済むという。

「J&Jのワクチンは、人の弱毒化した風邪の26型アデノウイルス(体内では病気を起こさないウイルス)をベクター(運び屋)として使っています。それに、新型コロナウイルスの表面にある突起状のタンパク質(スパイクタンパク質)の遺伝子を挿入したものを注射し、人間の細胞まで運び、抗体を作らせるというものです。英アストラゼネカ社のワクチンも製法や原理は同じですが、J&Jは『26型アデノウイルス』、アストラゼネカは『5型アデノウイルス』を使っています。ちなみにロシアの『スプートニクV』は26型と5型を混合させたものです。いずれも弱毒化しているとはいえ生きたウイルスなので、免疫原性(抗体を作る力)が強いのが特徴。逆に言えばアデノウイルスに対する抗体ができるので、2回接種しても効果がアップする可能性も低いのです。個人的には、アストラゼネカ社製も1回の接種で問題ないと思います」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった