著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

下戸なのに肝臓がん…脂っこい物が好きな人は超音波検査を

公開日: 更新日:

 昨年1月に「Diabetes Care」オンライン版に掲載された内容によると、米国ではNAFLDを併発した2型糖尿病患者の増加に伴い、今後20年間で推計6兆円の医療コスト負担が発生し、肝移植の手術件数や心血管死の増加などが予想されるとのこと。日本でも糖尿病患者は増えていますから、今後NAFLD併発患者が増加していくことは容易に考えられます。

■症状が出てからでは手遅れ

 NAFLDは、80~90%が脂肪肝のままで、病気はほとんど進行しません。しかし10~20%の人は少しずつ悪化し、肝硬変に移行。さらには肝臓がんを発症する人もいます。

 この徐々に進行し、肝硬変、肝臓がんへと移行する可能性のある脂肪肝を「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH=ナッシュ)」といいます。前述の米国の発表では、NAFLD併発2型糖尿病患者は推計1820万人、すでにNASHに進行している患者は推計640万人。臨床の現場では6万5000件の肝移植が必要になり、137万件の心血管死、81万2000件の肝臓病関連死が発生するだろうと指摘されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも