「マムシ咬傷」の治療法は医師任せ 抗血清の使用は5~6割

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 2つ目の理由は、抗血清がもたらす副作用にある。投与後、数日から2週間ほどのうちに、発熱、関節痛、皮膚のかゆみや発赤などのアレルギー反応が出たり、腎障害が表れたりする。

「これを『血清病』といい、マムシ抗血清では約12%の患者に生じます。さらにアナフィラキシーショックを起こすケースもあります。投与を開始した直後から表れることが多く、呼吸困難が生じ、危険な状態に陥ることもあります。その出現頻度は3%程度です」

 一方、マムシ咬傷の致死率は0・5%程度(2014年の全国調査では0・8%)。あえて抗血清の危険を冒すべきか、微妙なところなのだ。

「そのため搬送されてきた患者のうち、グレードⅠとⅡ(手関節または足関節までの腫脹)の患者には、すぐに抗血清を打たず、入院させてしばらく様子を見るのがデファクトになっています」

 その代わり「セファランチン」という薬剤を注射する。数十年前から行われている治療だが、この薬は円形脱毛症などにも使われるもので、マムシ毒にどれだけ効果があるのか、本当はよく分かっていないというから驚きだ。

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