「マムシ咬傷」の治療法は医師任せ 抗血清の使用は5~6割

公開日: 更新日:

 肝心の抗血清は、「グレードⅢ(腫脹が肘または膝まで広がった状態)以上に達したら使用せよ」と、フローチャートや多くの文献で推奨されている。

 グレードⅢ以上になると、患部だけでなく腎臓や肺に障害が出て、入院期間が長期化することが多いのだが、抗血清を投与することによりさらなる悪化を抑え、入院期間を短縮できるとされている。

「ところが数年前にある地方の中核病院から出された論文によれば、過去7年半に診たグレードⅢ以上の36例に対して、抗血清も破傷風トキソイドも打たなかったにもかかわらず、全員が内臓障害もなく完治して退院したそうです。抗血清の評価もまだまだ定まっていないのが現状です」

 むろん、抗血清を打たないと本当に危ないというケースはある。それはマムシの牙が運悪く血管に刺さり、毒が血液中に直接打ち込まれた場合だ。アッという間に全身に回るため、咬まれた直後から頭痛、目まい、呼吸不全などが生じ、同時にDIC(正常な血小板が減少する症状)を起こして創口から血が止まらなくなるなど、急性の症状が表れる。

「こうしたケースでは、抗血清を打つと確実に症状が改善していくことが知られている。マムシに限れば、抗血清は患者の状態とタイミングが大切ということでしょう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは