著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

米国の主要死因ランキングで新型コロナ感染症が第3位に

公開日: 更新日:

 連日のようにメディアで報道される新型コロナウイルスの感染者数や重症者数、そして死亡者数ですが、この感染症の流行によって集団レベルでの死亡要因にどれほどの影響があったのでしょうか。米国における死因別死亡者数を取りまとめた論文が、米国医師会誌の電子版に3月31日付で掲載されました。

 この研究では、米国衛生統計センター(NCHS)の人口動態統計システム(NVSS)を用いて、死因別死亡者数の変化を調査しています。その結果、調査時点で入手できる情報に基づく暫定的な推計では、米国における死亡者数は2019年と比較して2020年で17・7%増加していました。2020年における主要死因ランキングでは1位の心臓病、2位の悪性腫瘍に次いで、新型コロナウイルス感染症が3位となっています(ちなみに2019年は不慮の事故が3位)。

 さらに心臓病による死亡者数は4・8%増加し、2012年以降で最大の増加となっていました。また、アルツハイマー型認知症糖尿病による死亡者数も大きく増加していました。論文著者らは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療の逼迫で、これら病気の診断や適切な治療の遅れが死亡者数増加を招いた可能性を指摘しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々