著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

頭痛の原因はさまざま 誤った薬を使うと悪化するケースも

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 日本の頭痛人口は約3000万人ともいわれ、国民の4人に1人が頭痛で悩んでいると推定されています。とても身近で経験する人も多いことから「頭痛くらい」と軽視されがちですが、ひどい場合には生活に支障を来す場合があります。

 頭痛と一言でいってもその原因はさまざまで、原因によって予防法や対処法が大きく異なります。そのため、誤った対応をすればかえって痛みが悪化するなど、逆効果にもなることもあるので注意が必要です。

 頭痛は「一次性頭痛」(機能性頭痛)と「二次性頭痛」(症候性頭痛)の2つに大きく分類されます。二次性頭痛には鼻づまりのような軽いものだけでなく、くも膜下出血をはじめとする生命を脅かす疾患が隠れているケースもあるので甘く見てはいけません。一次性頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などが含まれ、最も多いのは緊張型頭痛です。これらは、筋肉の凝りによって発痛物質が放出されたり、頭部の血管拡張によって頭痛が生じると考えられています。

 急性の頭痛はしばらく安静にすれば痛みが治まるか、症状を改善するために消炎鎮痛剤が一般的に使われます。慢性の頭痛の場合は急性とは異なり、緊張型頭痛では筋弛緩薬や抗不安薬、片頭痛と群発頭痛の治療にはイミグランやゾーミッグといった脳血管の拡張を抑える薬が使われます。予防には、降圧薬、抗てんかん薬、抗うつ薬などが用いられます。

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