著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

腎機能が急激に低下している人ほど認知症になりやすい

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 さらに、他の病気と認知症リスクの関係を「人口寄与危険割合」で解析した結果、認知症の10%が慢性腎臓病に起因していることが分かりました。慢性腎臓病が認知症リスクに最も関係しており、次いで、うつ病(7%)、脳卒中(4%)、糖尿病(2%)でした。なお、人口寄与危険割合は疫学の指標のひとつで、その危険因子によって罹患率がどれくらい高くなるか、危険因子をなくすことで罹患リスクがどれだけ減少するかを示すものになります。

■腎機能は検査をしなければ異常があるかどうかが分からない

 この研究結果の新しい点は、今までも想定はされていましたが、腎機能と認知機能に直接フォーカスを当てて関連性を報告したところだと思います。

「心腎連関症候群」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは、心臓と腎臓のいずれか一方にトラブルが起こると、もう一方にも影響してトラブルが起こることを指しています。

 つまり、心臓の働きが落ちると、その影響で腎臓の働きが落ちる。逆に腎臓の機能が落ちると、心臓の働きが落ちる。加齢によって健康な人でも腎機能が落ちてきます。糖尿病や高血圧などの疾患がある人は、腎機能がより落ちやすくなりますから、すると心臓の働きも落ち、血流が脳に十分に行かなくなり、脳の機能も落ちる。認知症を発症しやすくなる、というわけです。

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