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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「医療ひっ迫」と大騒ぎしながら国民医療費は4.0%減少

公開日: 更新日:

 第3波は11月から今年2月まで。感染者が増え始めた11月の医療費は、受診控えが広がったためか、3・8%減った。ちょうど「インフルエンザとのダブルパンチ」が懸念されていただけに、高齢者を中心に警戒感が広がった時期である。しかし12月に入ると、感染者がさらに増え続けていたにも関わらず、昨年とほぼ同水準にまで回復している。結局、インフルエンザの流行が起こらなかったこともあって、国民の間に安心感が広がったためかもしれない。年が明けて1月8日に2回目の緊急事態宣言が発出されると、また医療費はやや減少した。だが1回目とは比べようもないほどインパクトは小さかった。

 以上の流れを見ると、第1波(昨年4~5月期)こそ医療費(=医療全体)は比較的大きな影響を受けたが、それ以後は国民も医療機関もしっかりと感染対策をしつつ、通常の診療を継続していた事実が透けて見える。もちろんコロナ患者受入病院では、連日厳しい戦いが続けられていたわけだが、そうでない普通の医療機関では、いつも通りの普通の医療が行われてきたし、大半の患者が普通に入院や通院を続けていた、ということである。

 コロナ禍でも、日本の医療は意外と頑強で、国民のニーズによく答えてきたと言っていい。われわれはこのありがたい状況に深く感謝しないわけにはいかないだろう。

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