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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

西郷輝彦さんは前立腺がんが「消えた」 最先端PSMA治療の効果とは

公開日: 更新日:

 渡豪後の経過には、曲折があったそうです。1回目の治療後は、CT画像でがんが消えることがなかったばかりか、PSA値が上昇。不安が募ったようです。その不安を打ち消すように2回目の注射を受けたところ、「がんが消えた!」といいます。

 しかし、その一方でPSA値はさらに上昇。800になっていたことに気づきます。豪州の医師には日本での検査を勧められたそうですが、日本の医師には「あとはあなた次第」と自己判断を促されたことで、西郷さんは豪州での3回目の治療を強く望んでいるといいます。

■すべての前立腺がんに適用になるわけではない

 なぜ、このようなことになるのか。報じられていることから推察すると、腫瘍崩壊症候群の可能性があると思います。放射線治療や抗がん剤治療により、短期間に大量のがん細胞が破壊されることで、その“死骸”の影響から一時的に腫瘍マーカーが上昇することがあります。

 それと相まって、CTでは確認しきれない転移が潜在的に増大し、PSA値に影響を及ぼしていることもあるでしょう。それらによって、CT上はがんが消えながらも、PSA値が高くなることがあるのです。

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