開発が進むコロナ治療薬 「飲み薬」だからこそ期待が大きい

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■日々の生活の不安を解消できる

 臨床試験の結果では、短期の検証で副作用も認められず、米国では年内にも緊急使用が承認される可能性が高まっている。そうなれば、新型コロナウイルスに対する初の経口治療薬となる。

「効果がきちんと認められることが大前提として、モルヌピラビルに期待がかかる大きなポイントは『飲み薬』だという点です。中等症から重症の患者に使われている抗ウイルス薬のレムデシビル、分子標的薬のバリシチニブ、ステロイド薬のデキサメタゾンは、すべて経口薬ですが、状態が悪化して入院が必要になってから使用されます。一方、酸素投与を必要としない軽症または中等症の治療で使われている『ロナプリーブ』と『ソトロビマブ』は、いずれも点滴で投与するタイプで、現時点では、基本的に医師によって投与してもらわなくてはなりません。そのため、デルタ株が猛威を振るっていた時期のように医療が逼迫している状況では、最大限の恩恵にはあずかれないといえます。しかし、重症化して入院が必要になる前に、自宅で薬を飲んで対処できるようになれば、医療逼迫の解消につながります。何より、これまでは対処法がなかったウイルスに対し、薬を飲めば改善が見込めるという選択肢ができることで、日々の生活の不安が解消される。通常の暮らしを取り戻すための大きな一歩になるといえるでしょう」(神崎氏)

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