著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

SGLT2阻害薬 日本で初めての慢性腎臓病治療薬として承認

公開日: 更新日:

 同剤の第3相試験では、腎臓の機能を5段階のステージ(病期)に分けたうちのステージ2~4かつ尿中アルブミン排泄の増加を認める患者さんを対象に試験が行われました。ステージ1と2は早期発見で回復の余地ありの段階、ステージ3は腎臓の機能が健康時に比べて半分近く低下しており専門医による本格的な治療が必要な段階、ステージ4は腎臓の機能が30%以下にまで低下しており機能回復は不可で現状維持が治療目標の段階です。

 これまでCKDの第1選択薬として中心的役割を果たしてきた「アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)」、もしくは「アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)」にフォシーガを併用すると、プラセボ(偽薬)併用群と比較して、腎機能の悪化、末期腎不全への進行、心筋梗塞脳卒中による死亡、腎不全による死亡のいずれかの発生リスクを39%低下させるという結果。併用のタイミングによっては、人工透析に至る期間を大幅に遅らせる可能性もあるのです。

 腎臓病に関わる医師の多くが、SGLT2阻害薬を画期的な薬として捉えています。今後、CKDの治療の流れが変わる可能性もあると考えています。

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