特殊な心筋梗塞「MINOCA」はどんな病気なのか 世界中で注目

公開日: 更新日:

 通常の場合、心筋梗塞と診断されれば、速やかに治療が行われる。冠動脈が詰まっている場合、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と呼ばれる治療が実施されている。足の付け根や手首からバルーンが付いたカテーテルを挿入し、冠動脈の詰まっている箇所に到達したらそこでバルーンを広げて血管を拡張し、血流を再開させる。

 NSTEMIでは、抗凝固薬や血小板凝集抑制薬などによる血栓予防、β遮断薬による交感神経を抑える治療が行われるケースが多いという。

「しかしMINOCAは、胸痛など心臓の虚血が疑われる症状があり、心筋トロポニン値が一過性に上昇していても、冠動脈造影検査で冠攣縮や狭窄が認められない。さらに心エコー検査やMRI検査を行っても、たこつぼ心筋症、心筋炎、心筋症といった胸痛や息切れの原因になる疾患もありません。そのため、診断すらつかない場合も少なくないのです。そのままとくに治療は行われずに経過観察とされ、病状を悪化させてしまうケースが危惧されています」

 海外では、MINOCAは心筋梗塞全体の5~10%が該当すると報告されていて、一般的な心筋梗塞の患者に比べてやや年齢が若く、女性、非喫煙者、非糖尿病、非肥満が多いという。また、脂質異常症や高血圧症の人も少ないとされる。冠動脈疾患において、ハイリスクとされる因子を持っていない人に患者が多いといえる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が