国立感染症研究所がひっそり認めた「空気感染」で対策が大きく変わる?

公開日: 更新日:

 国立感染症研究所は先月28日、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染経路について」との一文をホームページに掲載した。その中でこれまでかたくなに認めてこなかった「空気感染」をさりげない形で認めている。

「液体を含んだ大きな粒子は、放出されてから数秒から数分以内に落下するが、小さな粒子や乾燥した粒子は、空中に数分から数時間にわたって浮遊する」

 ここで言う、「乾燥した粒子」はウイルスそのもので、明らかに空気感染のこと。なぜ、年度変わりの時期に感染経路の認識を変えたのか? 公衆衛生に詳しい、岩室紳也医師が言う。

「今回、液体を含んだエアロゾルによる感染と粒子そのものの空気感染が同レベルで語られていることは感染経路対策の視点から見ると問題ですが、もともと新型コロナ感染症は空気感染するのではないか、という意見が国内外にあり、昨年10月に研究者らが公開質問状を感染研に出していました。その後、感染研と同様に当初空気感染を認めていなかったWHO(世界保健機関)やCDC(米国疾病対策センター)など世界中の研究機関などが段階的に修正し、いまでは空気感染の存在を認めています。そこで年度末をきっかけにさりげなく修正したということでしょう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾