著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【淋病】これまでの抗菌薬が効かない薬剤耐性淋菌が増えている

公開日: 更新日:

 淋菌感染症は、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)による感染症で、性器クラミジア感染症と並んで患者数が多い性感染症です。

 淋菌は主に男性では尿道炎、女性では子宮頚管炎を起こします。淋菌の潜伏期間は2~7日といわれています。ただ潜伏期間については個人差があるので、この期間中に症状が表れなかったからといって感染していないということではありません。病気が進行すると、男性では精巣上体炎、女性では卵管炎や骨盤内炎症性疾患を起こすケースもあります。

 クラミジア感染症と同様、近年は性行動の多様化を反映して、咽頭や直腸の炎症など性器外の感染例も増加しています。淋菌感染症の20~30%はクラミジア感染を合併しているため、淋菌への感染が判明した際にはクラミジアの検査も必ず行う必要があります。

 淋菌感染症の治療には、もちろん抗菌薬が使われるのですが、近年は薬が効かない「薬剤耐性淋菌」が増えていて、問題になっています。ペニシリン系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系といったさまざまな種類の抗菌薬に耐性となっているのです(多剤耐性)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然