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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

血が止まりにくいO型はフォン・ヴィレブランド因子が少ない

公開日: 更新日:

 血液凝固の第Ⅷ因子か第Ⅸ因子が、遺伝子異常によって、先天的に不足しているのが「血友病」です。これらの因子を作り出す遺伝子は、X染色体(性染色体)上に存在します。

 男性の性染色体の組み合わせはXYなので、母親からもらう第Ⅷ・第Ⅸ遺伝子に異常があれば、必ず血友病になります。しかし女性の性染色体の組み合わせはXXなので、片方に異常があってももう片方の遺伝子で補えるため、まれにしか血友病はみられません。「血液凝固異常症全国調査(2020年)」によれば、血友病の患者数は6738人(うち女性97人)でした。

 血友病ほどではありませんが、血が止まりにくい病気に「フォン・ヴィレブランド病(VWD)」があります。これはフォン・ヴィレブランド因子(VWF)の不足が原因です。VWFは血液凝固因子ではありませんが、第Ⅷ因子を安定化させる役割を持ったタンパク質で、不足すると第Ⅷ因子が減ってしまうため、歯ぐきや皮下に出血しやすくなります。

 VWDも遺伝病ですが、VWF遺伝子は第12染色体にのっているため、男女ともに同じ割合で発症します。2020年における患者数は944人でした。

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