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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

血が止まりにくいO型はフォン・ヴィレブランド因子が少ない

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 さて、血液型との関係です。O型ではVWFが非O型よりも少ないことが、医学の世界ではかなり以前から知られていました。個人差はありますが、非O型の半分という人も少なくありません。またVWFが少ないため、O型は第Ⅷ因子も少なくなる傾向があります。なぜO型でVWFが少ないのかは、まだよく分かっていません。

■出血管理されている手術では不利はない

 とはいっても、これは病気ではありません。実際、普通の切り傷や擦り傷でO型のほうが血が止まりにくい、といったことはありません。では外科手術ではどうかというと、O型のほうが出血が多いとする研究もありますが、違いは見られないという論文もあり、評価は定まっていません。たとえば2008年に浜松医大から発表された論文によれば、同付属病院で行われた手術約1万6000例を解析したところ、出血量と血液型の有意な関係は見られなかったとしています。

 ですから普通に生活している限り、また出血管理がしっかりされている手術を受ける限り、O型が不利ということはなさそうです。ただ、外傷や帝王切開などの大出血では、不利になる可能性があるので、多少は意識していたほうがいいかもしれません。

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