著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【葛】伝統的な植物の「花」に潜む意外な栄養素 骨密度の低下を抑制

公開日: 更新日:

 葛(くず)は古くから食品や生薬として利用されてきた日本の伝統的な植物です。風邪をひいた時の「葛湯」や、葛の根を乾燥させて煎じた「葛根湯」などで耳にしたことがある方も多いでしょう。他にも、切り傷の回復や糖尿病の改善に葛の青葉を搾った汁や、養毛効果に良いとされる新芽を水で煮出したお茶などもあります。

 また、葛は食用としても幅広く利用されています。若葉や新芽は天ぷらや炒め物、塩茹でにして和え物に。葛のつぼみや花はごはんとして炊いたり、酵母、酒、酢などに漬けたりして加工されています。

 和菓子への利用も盛んで、葛の根から取れたデンプン、葛粉を使った葛餅はまさに今の季節の定番! モチッとしていながらもキレがある食感はファンも多いはず。葛の旬は夏~秋にかけてで、旬のはしりといえるでしょう。秋の七草の1つとしても多くの俳句で秋の季語として詠まれているのです。

 そんな葛に含まれる栄養素ですが、花にはイソフラボンとサポニンが豊富です。イソフラボンは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンと同様の働きをする栄養素のひとつです。マウスの実験にはなりますが、更年期障害モデルマウスに、葛抽出物を1日当たり20ミリグラム/キロ、8週間食べさせたところ、骨を壊す破骨細胞の量が減少し、大たい骨の骨密度の低下を抑制できたことから、骨粗しょう症や更年期障害の予防が期待されています。他にも、体内の糖質脂肪に変えにくくする働きもあると報告されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か