政府が早期対応を呼び掛けている「医療DX」ってなんだ?

公開日: 更新日:

■日本は電子カルテの活用が大きく遅れている

「ただ、DX推進による電子カルテのさらなる普及には、課題があるのも事実です。電子カルテはセンシティブな個人情報の塊なので、外部には出さず、それぞれの施設が内部だけで管理・運営するのが基本になっています。地域によってはいくつかの医療機関が連携して電子カルテを共有しているケースもありますが、全国的な規模ではありませんし、可能なのはカルテの閲覧のみという場合もあります。欧米など海外では、患者の医療情報を外部から取り出せる仕組みがはじめから構築されていますが、日本は大きく遅れているのが現状です。現在、個人情報の部分を隠してデータだけを外部から取り出せるようなシステムが開発中ですが、どこまで活用されるかは未知数といえます」

 また、医療機関ではいかに安定して運営できるかが重要視されているので、万が一のシステムダウンや管理・運用方法の変更などのリスクを考えて電子カルテの導入に二の足を踏んでいるところも少なくないという。政府による医療DX推進で、そうした意識をどこまで変えられるだろうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑