ニンニクは「臭い」がなければ高い健康効果が受け取れない理由…専門家に聞いた

公開日: 更新日:

「DADSやDATSといったスルフィドには、がん細胞の増殖を抑えてがん細胞を消滅させる効果があることが報告されています。スルフィドの働きの特徴は、がん細胞を自ら滅びていくアポトーシスという現象を起こさせているという点にあります」

 世界の地域ごとの、がん発生状況と食品摂取の相関関係を調べた海外の研究では、ニンニクの摂取量が多い地域や人では、乳がん肝臓がん、前立腺がん、胃がん、咽喉がん、結腸がんなどの発症リスクが低いことが認められているものもある。

 冒頭でも触れたように、こうしたニンニクの効果を享受するには「臭い」がするよう調理することが肝心だ。

「ニンニクを丸ごと、いくつも食べるよりも、すりおろしてから少量だけ摂取するほうがより高い健康効果を期待できます。すりおろしたニンニクは刺激が強いため、大量に摂取すると胃を痛めたり、腸の免疫機能にダメージを与える可能性があるので取りすぎは禁物です。また、スルフィドは油に溶け出しやすいので、イタリアではニンニクを使うパスタ料理のペペロンチーノを調理する際は、スライスしたニンニクを焦がさないようにオリーブオイルでゆっくりと加熱します。そうすることで、スルフィドを効率的に摂取できるのです。スライスしたニンニクを油で揚げたニンニクチップでも有効成分は摂取できます」

 ニンニクは臭くなければ“真価”を発揮できないのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態

  3. 3

    高市総裁「首相指名」に漂う不安…自民党内は“厭戦ムード”も燻る火種、飛び交う「怪文書」の中身

  4. 4

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    高市自民、公明からの三行半で早くも本性露呈…「やられたら秒でやり返す」「イキらなきゃ負け」のオラオラ体質

  2. 7

    出来たとしても高市政権は短命…誰も見通せない激動政局の行方を徹底分析(前編)

  3. 8

    佐川宣寿元理財局長のメール開示「遺族と話し合う」…森友文書で加藤財務大臣が明言

  4. 9

    進次郎氏落選もダメージなし? 妻・滝川クリステルが目指した「幸せ家庭生活」と耳にしていた夫の実力

  5. 10

    侍J井端監督 強化試合メンバー発表の裏に「3つの深謀遠慮」…巨人・岡本和真が当選のまさか