ニンニクは「臭い」がなければ高い健康効果が受け取れない理由…専門家に聞いた

公開日: 更新日:

 近年、「スーパーフード」として注目されているのがニンニクだ。健康維持に有効な成分が多く含まれ、さまざまな病気の予防に役立つと報告されている。ただ、その恩恵にあずかるためには「臭い」が重要だという。ファンケル総合研究所機能性食品研究所所長の寺本祐之氏に詳しく聞いた。

 ニンニクといえば、あの強烈な臭いを真っ先に思い浮かべる人は多いだろう。土の中で育つニンニクは土壌から硫酸塩を吸収し、GSAC(γ-グルタミル-S-アリルシステイン)という成分にして細胞内にため込んでいる。さらにGSACの一部はアリインという成分に変換され、昆虫や動物などの外敵に少しでも傷つけられると、細胞内に存在する酵素の働きによって、外敵が嫌う刺激成分のアリシンが生成される。このアリシンがいわゆるニンニクの強烈な刺激臭の“正体”だ。

「つまりニンニクは傷つけなければアリシンが生成されず、臭わないということです。生のニンニクを調理の過程で切り刻んだり、すり潰したりすることで、アリイナーゼという酵素と混ざり合い、初めてニンニク臭が発生するのです。アリシンは反応しやすくさまざまな成分に変化します。たとえば加熱したり油を使って調理すると、DADS(ジアリルジスルフィド)やDATS(ジアリルトリスルフィド)などのスルフィドという臭い成分に変化します。世界中で研究報告されているニンニクのさまざまな健康効果は、このアリシンやスルフィドなど臭い成分によるものが多いのです。ですから、ニンニクを健康維持に役立てるなら、『臭い』が重要なのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情