ニンニクは「臭い」がなければ高い健康効果が受け取れない理由…専門家に聞いた

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 近年、「スーパーフード」として注目されているのがニンニクだ。健康維持に有効な成分が多く含まれ、さまざまな病気の予防に役立つと報告されている。ただ、その恩恵にあずかるためには「臭い」が重要だという。ファンケル総合研究所機能性食品研究所所長の寺本祐之氏に詳しく聞いた。

 ニンニクといえば、あの強烈な臭いを真っ先に思い浮かべる人は多いだろう。土の中で育つニンニクは土壌から硫酸塩を吸収し、GSAC(γ-グルタミル-S-アリルシステイン)という成分にして細胞内にため込んでいる。さらにGSACの一部はアリインという成分に変換され、昆虫や動物などの外敵に少しでも傷つけられると、細胞内に存在する酵素の働きによって、外敵が嫌う刺激成分のアリシンが生成される。このアリシンがいわゆるニンニクの強烈な刺激臭の“正体”だ。

「つまりニンニクは傷つけなければアリシンが生成されず、臭わないということです。生のニンニクを調理の過程で切り刻んだり、すり潰したりすることで、アリイナーゼという酵素と混ざり合い、初めてニンニク臭が発生するのです。アリシンは反応しやすくさまざまな成分に変化します。たとえば加熱したり油を使って調理すると、DADS(ジアリルジスルフィド)やDATS(ジアリルトリスルフィド)などのスルフィドという臭い成分に変化します。世界中で研究報告されているニンニクのさまざまな健康効果は、このアリシンやスルフィドなど臭い成分によるものが多いのです。ですから、ニンニクを健康維持に役立てるなら、『臭い』が重要なのです」

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